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川越農場に取材に伺った4月末はちょうどアスパラの収穫時期。
元気の良い、大きなアスパラがそこらじゅうに生えていた。
アスパラは非常に欲張りな野菜で大量の栄養を必要とするため、ここまで太くなるにはかなりの栄養が必要だという。
アスパラの他にもお米、小麦、大豆、にんにく、トマトなどを作っており、どの作物も「ミネラルが豊富で栄養価が高い食物」となるように作られている。
近年では評判が評判を呼び、食品加工会社から「川越農場の野菜を使いたい」と頼まれ、加工食品も多く生産されている。
▲川越農場の作物から作られた加工品の数々。
川越農場は昭和22年に父親が雨竜町に入植し、土地を切り開いたことが始まり。
『親の代の時は作物をたくさんとらないといけないから、父親は一生懸命化学の勉強をしていた。
ところが毎年化学(肥料や農薬など)を使い続けていくうちに、作物の収穫量が目に見えて落ちていった。
子供目にみても、これはどういうことなのかな?と感じていた。』
川越さんは高校を卒業後「自分には農業しかない」と考え、父の畑を受け継ぐ。
当時は農作業は手作業が中心で体力的にキツかった。
知識もそれほどなかったため、堆肥(たいひー微生物によって分解された肥料)を作るのも一苦労だったという。
とにかく困難の連続だったというが、徐々に大型の機械を導入したり、畑の面積を広げたりするうちに、色々なことに挑戦できるようになっていった。
▲取材に伺った4月末はちょうどアスパラの収穫時期。土からアスパラが元気に飛び出していた。
ある日、たまたま「こういう面白い堆肥があるぞ、使ってみないか?」と言われて、ちょっとだけもらってきたのがゼム酵素の堆肥だった。
『普通はちょっと堆肥を置いただけじゃ、効いているかどうかなんてわからないものなのさ。
ところが、じゃがいもの間なんかにちょっとだけ置いて試してみたところ、目に見えて様子が変わった。
「なんなんだこれは?」と衝撃をうけた。使ってみないか?と言っていた本人さえもビックリしていた。』
早速この堆肥を一部の畑に使ってみたところ、稲の成長が進んだり、じゃがいもの身が凄く締まったり、畑にミミズがいっぱい集まってきたりしたという。
そこで川越さんは、コストは普通よりもかなりかかってしまうが、思い切って全面的にゼム酵素を取り入れることにした。
現在はこのゼム酵素堆肥の他に、鳥の糞から作られた有機肥料グアノを使用している。
▲すべての水田と畑にゼム酵素堆肥と有機肥料グアノを使用している。
ゼム酵素とは、パイナップルなど数種類のフルーツから抽出した酵素に、ミネラル分としてゼオライトを足し、発酵させたものとのこと。
消臭効果や除菌効果があると言われ様々な分野で活用されており、農業においては土が活性化し良くなるという効果も発見されている。
使用している農家さんからは「土の中がにぎやかになる(地中の微生物の活動が活発になる)」「地温が上がった気がする」という声が上がっており、畑に取り入れる農家も増えている。
▲アスパラガスは太さによって仕分けられる。一番大きいサイズは圧巻の太さ。
『最近は農家の子供でもアトピーの子はいっぱいいるんだよ。
ところがうちは孫達も含めて、アトピーにかかった子は一人もいない。
食べ物は大事だなぁと思うんだよね。』
川越さんは「食べて健康になる食物を作る」ということをとても大事にしている。
美味しさももちろん大事だけど、ミネラルが豊富な野菜を作り、食べた人が健康になることが何より嬉しいと言う。
健康な野菜作りに気を配れば、結果的には味自体もおのずと良くなってくるそうだ。
『今は何でも化学で農作物を作っているから、どうしても栄養が偏りがちになる。
昔のような作物を食べればアトピーやガンにはなりにくいはずだと思うんだ。
うちは堆肥などにこだわっているから、コストは普通よりもかなりかかっている。
だけれども、お金よりも一度うちの野菜を食べたら「何か違うね」って思ってもらえることの方が重要。
そのうえでお金にもなったらいいんだけど(笑)
味が違う。もちが違う(長持ちする)。そういう作物を作り続ければ、色々な人が応援してくれるようになる。
「おたくの農作物を食べたい。おたくじゃなきゃダメだ。」そうやって言われたら、また頑張れる。』
▲太いアスパラは、ざっくりと切ってバター炒めがおすすめとのこと。
川越さんはあえて有機野菜と名乗らないことが多いという。
有機野菜=良い野菜と思われがちだが、農業というのはそれほど単純ではなく、もっと奥が深いものだ。
たとえば有機肥料を与えすぎて硝酸態窒素が多く含まれてしまうと、腐りやすくなるし健康にも良くない。
野菜のミネラルを多くしてあげると、硝酸態窒素が野菜の中できちんと消化されて、美味しさも変わってくる。
何事もバランスを意識して、偏らないことが大事だという。
▲繁忙期には猫の手を借りることも?
川越さんは北海道のゼム酵素協会を作り、土地の仲間たちとネットワーク作りを積極的に行っている。
みんなで集まって「こんなやり方は良かった」「これはダメだった」と情報を共有しているそうだ。
北海道で美味しいものを作っている、異業種の生産者や加工者ともよく交流している。
健康で美味しいものを届けたいという同じ志を持っているので、業種は違っても意見は合うそうだ。
▲北海道を元気にしたいと語る川越さん
農家さんは、秋に農協から一年分の現金がまとめて入ってくる。
普通は冬はゆっくりと体を休めて、春に向けて英気を養うそうだが、川越さんは冬にこそ働くという。
翌年の春に手掛ける作物のために、冬にしっかりと土を労い、英気を養ってもらうそうだ。
川越さんの根源にあるのは「美味しくて健康な作物を作りたい」という、シンプルな想い。
長いこと農家をやってきたが、今が一番楽しく、やりがいがあるという。
そんな川越さんが作る作物は、同じように生き生きとしているように感じた。
『農業をやっていても正直そんなに儲かることはないけれども、子供が健康になったという声を聴ければ
やっていてよかったな~という気持ちになるんだよ』
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