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繊細な味覚を持つ、美味しさの探究者
三栄アグリ(士別市) 宍戸 久男さん

取扱い商品



全国から引っ張りだこで入手が困難!

三栄アグリの商品はほとんどが東京・大阪の百貨店や高級スーパーに出荷されており、地元の人でもなかなか食べることができない。
北海道物産展にもひっぱりだこで、出店してまもなく完売になってしまうほどの人気。
その秘密は何といっても味にある。

トマトを4~50個贅沢に使ったトマトジュースやトマトピューレ、地の利に技術力を加えて作られた美味しい農産物の数々。
体験したことのない美味しさが、三栄アグリにはある。

▲三栄アグリで作っているトマトの「アグリオーレ」を50個前後使用したトマトジュース

美味しいものを作るには、美味しいものを知るところから

一年の半分以上は世界中を食べ歩き、美味しいものを食べているという宍戸さん。
国内では美味しそうなお店を見つけるとすぐに駆けつけ、海外では現地の人が食べている料理に積極的に挑戦する。
『食べ物には、家一軒買えるほどのお金を使ってきているんじゃないか?』と笑う。
今では料理を食べると、どんな素材を使っているか何となくわかるように。
美味しいものを作るには、まず美味しいものを知るところからという訳だ。

▲熊や鹿は

熊や鹿も食べたがる「美味しさ」の秘密

もともと士別市朝日町は昼と夜の寒暖差が激しいため、美味しい農産物が作りやすい土地だ。
地の利を活かしつつ、三栄アグリでは独自の技術とこだわりを随所に用いている。
例えば堆肥は、サトウキビやなっとう菌をベースとしたモノを使用しており、宍戸さん曰く『牛にあげると喜んで食べてしまう美味しい堆肥』。
この堆肥は全国の農家さんに提供もしているそうだ。

また、三栄アグリならではの問題が「熊・鹿対策」で、油断すると大量の農産物を食べられてしまうらしい。
『熊なんかは賢くてすぐ学習するんだよ。こっちが見張っている時はこないで、油断するときたりしてね。まぁ、動物は本能的に本当に美味しいものがわかるんだよね。』

▲食品の保存・管理も長年の研究データを基に最適な方法を取り入れている。

お子さんのアトピー性皮膚炎をきっかけに、食の安全について考えるようになる

三栄アグリは朝日町に移ってきてからは宍戸さんが三代目。
もともと食へのこだわりはあったが、宍戸さんの息子がアトピー性皮膚炎になってしまったことをきっかけに、食の安全と健康についてより深く考えるようになった。
農薬や化学肥料について研究し、無農薬で作れるものは無農薬で、農薬を使わないと作業が大変なもの(主に除草)は残留性がないように最初の一回の散布に留めるなど、自分たちが納得できる農産物を作っている。

ただし、宍戸さんは必要以上に「無農薬」や「有機肥料」という言葉には固執しない。

『作り方がどんなに素晴らしくても、結果が伴わないといけない。つまり味が良くないといけないというのが私の考え方。 とにかく美味いものを食べたいから、美味しいものを作りたい。ただ、美味しいものというのは必然的に農薬も化学肥料も少なくなる。 また、継続を考えた時に、化学肥料では土が痩せていくので美味しいものを作り続けることができないよね。』

▲農場内には畑だけではなく、食品の加工ができる設備もある。

原点はおばあちゃんの料理の味

宍戸さんの「食へのこだわり」の原点はどこにあるのか伺ったところ、小さい頃から食べていたおばあちゃんの料理が絶品だったという。
『おばあちゃんの料理は本当に美味しくてね。作り方を教えてもらって同じ作り方をしても「おばあちゃんのようには作れない」と皆が口を揃えて言っていたよ。 塩をふるにしても測りなんて一切使わないし、あれはもうセンスだねぇ。』

▲携帯の電波も届かない、非常に穏やかな時間が流れる土地だ。

アジアでの農業指導や、美味しい食べ物のネットワーク作り

宍戸さんの活動は多岐に渡る。
例えば中国では、日本と同じやり方で農産物を作るプロジェクトに参加し農業指導を行っている。
現地では「MADE BY JAPAN」という形で販売されているそうだ。

また、全国の美味しいものをきっかけに出会った人々とネットワーク作りも行っている。
農家の可能性を拡げて、職業として自立できるようにステップアップさせたいと語る。

▲美味しいトマトの育て方について説明してくれている宍戸さん。

取材後記 「食の探究者が生み出す芸術作品」

三栄アグリのトマトジュースは説明不要、飲めば誰もが感動する味だ。
トマトジュースが嫌いな人にも「もっと飲みたい」と言わせる力がある。
ただ甘いだけではなく、コクとキレがあるのでぐびぐび飲めてしまうのだ。

三栄アグリの社長の宍戸さんは、美味しいものについて語る時は本当に嬉しそうな顔をする。
心の底から食べ物への愛情を感じさせ、「この人が作るものはきっと美味しいんだろうな」と思わせる説得力がある。

『海外では現地の人と同じものを食べて腹を壊すこともあるし、冒険して苦い経験をしたこともある。 それでも美味しいものを探すことはやめられないね。美味しいものを食べるために、生きているんだよ。』

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